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「くだらない事をぬかすな!いいか、お主は、罪を犯していないにも拘らず、だ!お金を払って罪人になり、流刑囚として大陸に売り飛ばされたのじゃ!そんなお主を見て『罪状:馬鹿』と書かずにはいられなかったのじゃろう!今頃、ジパァングで高笑いをしておるところであろうな、権兵衛の奴は!」
「そっか、権兵衛さん…喜んでくれてるのか!」
「自分を騙した奴を喜ばせてどうする!本物の馬鹿か、お主は!?」
「でも大陸に渡る渡航費用の百両を、有り金全部合わせても五両にも満たないのに、残りの金額を工面してくれた権兵衛さんに文句は言えないですよ」
「おお…本物の馬鹿であったか…何で権兵衛が残りの渡航費用を工面したと思うのじゃ?お主は流刑囚として島流しに。つまり、大陸の奴隷商に奴隷として売り飛ばされたのじゃ。それなら渡航費用など存在せぬではないか。奴隷売買に費用の負担は組み込まれているのじゃからのぉ。権兵衛が金を出す必要など、どこにも有りはしないのじゃ!」
「つまり…お互いにウィンウィンな関係に?」
「違う!どう言ったら分かるのじゃ!お主は騙されて売り飛ばされた!なら売り飛ばされたその先に、お主の求めている『勇敢なるまだむ』が存在するとでも思うのか!?」
「ま、まさか…『まだむ』はここに居ないの!?」
「居るか!ここは研究所でお主は実験の被験体!お主の言っている有閑マダムなど、居る訳が無かろうに!そんな事よりも、お主は自分の心配をせい!」
「じゃあ…どこに行けば『まだむ』に…」
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