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序章&第1話 求めしは勇敢なる者よ
【序章】
非モテ…それは孤独に生きる者の証。
非モテ…それは底辺を生きる者の証。
非モテ…それは敗者が生きる者の証。
世の全ての非モテが思う事であろう。
何故、非モテは社会から迫害を受け、生まれながらに負け組が確定しているのか。そして何故、自分は非モテなんぞに生まれ落ちてしまったのか、と。
多くの悩める子羊達が、どれだけ非モテである事を嘆き、哀しみ、慟哭したところで…この世の全ての非モテに対する差別や冷遇が無くなることはない。
非モテ…それは哀しき運命を背負いし者の証。
しかし、そんな理不尽な世の理に対し、真っ向から立ち向かう者が現れた。
大陸から遥か東に位置する小さな島国。
最果ての地、極東の小国、黄金の国…数ある呼び名の中にて、最も使われているのがサムライの国ジパァング。
死をも恐れぬ『武士道精神』によって、最強の部族と呼ばれるサムライ。その武力は天下に轟き、気高さは天下に遍く。そして天下に響き渡る高潔さこそ、ジパァングを統治するサムライ。伝え聞くは至上の武人。
そんな最強部族によって治められているジパァングから、一人の若者が大陸へと渡る事により、世界の歴史が大きく変わる事になる。
太陽歴4724年。その若者は無一文、かつ褌一丁にて大陸へと渡り、多くの仲間達と共に世界に蔓延る厄災へと立ち向かい…これを制す。
若者が裸一貫から実現させるは、奇跡と呼べる程の偉業の数々。
英雄と呼ぶに相応しい活躍を示す彼の者。その出自はジパァングでありながらも、最強の部族であるサムライの一族では無かった。
サムライどころかジパァングの片田舎に住む、しがない農家の三男坊。それも非モテ!
非モテに生まれ落ちた者は、誰もが非モテである事を悩み、悔み、脱却を願うのが世の理。
にも拘らず彼の者は、死せるその時まで非モテであり続ける事を貫き通すのであった。
そう、あえて非モテである事を選んだのだ。差別、冷遇、迫害が当たり前の非モテである事を!
サムライが武士道を邁進する様に、彼の者もまた非モテ道を邁進。
己が非モテである事を受け入れ、非モテである事を誇り、そして世界一の非モテと呼ばれし時…それは伝説の幕開けとなるのだった!
後世に語り継がれし非モテ英雄譚、とくと御覧あれ!
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