ここはちょっと違う町

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 僕はなぜかマギーにポツリポツリと話していた。  あいつのことを。  そして日本へ帰ったら絶対に探し出して連絡してみるって。  マギーも「うん、それがいい。もしかすると友達の心が癒せるには時間がかかるかもしれない。でも、それにはまず、翔さんからのアプローチが絶対に必要だと思うから」と。  そのマギーの言葉は僕の心を落ち着かせてくれた。 「マギーありがとう」   するとマギーは僕を抱きしめていた。  まるで母親のように。  ただのハグなんだけど。  ドキドキ感より、安心感の方が勝っていた。 「はい、そこまで」  レイコだった。  おにぎりと水を差し出された。  僕たちは離れる。 「マギーのお父さん、ずっとこっちを見て睨んでるわよ」  ぎょっとしてそっちを見た。  向こうは他の試合に夢中になっていた。  冗談だったらしい。  あははと笑ってレイコはまた行ってしまった。  それからまた僕たちは試合をした。  今度は負けた。  でも楽しかった。  充実した一日だった。  誰もがこの試合を楽しんでいた。  カナダ人も日系人たちも一緒に。
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