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「あ、ここに、このゴーストタウンだったところ、若い女性がすごく少なかったんですって。そこへ大勢の日系人女性が来たから地元の人たちは大歓迎だったみたいよ。それに白人たちの学校に、日系人の子供たちも通わせてくれたみたい」
うん、知ってる。
マギーはボブにつきまとわれていた。
「すごいわよ。この町。全然人種差別なんてしていないの。それどころか、歓迎しているようね。活気づいたし、日系人から数々のことを教わったし。だから、今でもこんなふうにこの場所を博物館にして、イベントをしてくれている」
「そうか。他の収容所は全て自給自足だったけど、ここは敵性外国人ってことじゃなく、歓迎してくれていたんだね」
そう思うと、あのしつこいボブもかわいく見える。
「だって、このイベントを催されたメリーたち、皆、日系人のナニー(子守り)に面倒をみてもらってたらしいの。子守歌を覚えている人もいる。敵性外国人だって思っていたら、大事な子供を預けないでしょ」
「うん、そうだよね」
それだけ日系人が信用され、受け入れてもらえたんだ。
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