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その昔、化粧の歴史には魔除けの意味で、顔に紅殻(ベンガラ:酸化鉄)を塗る“赤化粧”ってものが行われたということを読んだことがあった。
赤は悪魔から身を守る色なんだって。
それから顔を白く塗ったり、見栄えのするように赤をうまく使って今の化粧になったのかも。
いくら腕に自信のある武将でも丸腰、普段着姿で戦場へは向かわないだろう。
もしもの覚悟と普段の自分にはない強者になるために鎧や兜をかぶるとしたら、妃呂美のいう化粧に当てはまる。
ってことは、今、こうしてスッピンをさらしてくれている僕の存在は安心できる相手ってことなんだろう。
そのつるつるした頬に触りたくてそっと手を伸ばしかけた。
けど、それを阻むかのようにブブーっていう聞き覚えのあるバイブレーションサウンドがした。
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