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あっ、やべえ。
枕の下においたスマホが警告、いや違う、電話がかかってきていた。
僕は慌ててスマホを手に取り、ベッドから出た。
実家の母からだった。
下着一枚だったから、床に脱ぎ捨ててあったシャツを羽織った。
電話でも母なら感づく。
寝起きの姿を見られるような気がしていた。
台所へ行き、電話に出た。
『翔? やっだぁ、まさか、あんた、まだ、寝てたの』
母のキンキン声が響いた。
思わずスマホを耳から放す。
ボリュームを調節した。
スピーカーフォンでもないのに、母の声が部屋中に聞こえていた。
すっげえ。
妃呂美ももぞもぞと動いて毛布を頭からかぶった。
やっぱりうるさかったらしい。
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