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「夕べさ、バイトだったんだ。寝るのも遅かったし」
そんな言い訳をする。
冷蔵庫を開け、よく冷えている水を取り出した。
それを一気飲みする。
やっと頭がシャキッとした。
『バイトもいいけど、勉強もしてるんでしょうね。まあくんはバイトに熱が入りすぎて大学中退したのよ。それに・・・・』
まあくんって人は実家の近所に住んでいた一年上の雅史くんだ。
せっかく入った大学を中退し、バイト先の店長に気に入られ、支店を任されたという噂。
そういういいところは言わない母親。
悪いことばかり引き合いに出して、ちゃんと勉強しないと僕もこういう噂をされるっていう脅しをかけてくるんだ。
いつも思う。
支店長にまでなったまあくんはそこまで語ってはもらえない、一番かわいそうな存在。
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