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「まず御厨グループの系列会社の就職試験に受からないと駄目だけどね」  朔は理央と番になってからの数日で、進路についても多少考え方を改めていた。  きちんと御厨グループの経営する会社に就職し、下積みを重ねて理央のサポートができるようになれれば理想的だ。 「でも御厨は文学部じゃなかったっけ?」 「そうだ。兄たちがマーケティングや経営について勉強しているから、卒業まで自由にしていて構わないと言われた」  理真と理斗は表舞台には立たないものの、理央を支えるための準備はしているのだろう。  将来的に御厨グループを引っぱっていく理央には学生の間くらい自由でいてもらおうと考えたに違いない。もしかすると自由に大学生活を送ることで、理央の抱える傷が少しずつ癒えると思ったのかもしれない。 「あ、理央さんお豆腐も食べる?」  焼き鳥を食べ終えた理央に、朔はおぼろ豆腐を取ってやった。受け取った理央が美味しそうに食べている姿に微笑む。  追加で飲み物や料理を頼んでからは話題も一度は大学のことへと変わったのだが、ひと通り料理を食べた頃に思い出したように水野が疑問を投げかけた。 「俺はベータだから番ってよく解んねぇんだけど、どんな感じすんの?」
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