幾つかの夜、幾つもの朝 第二話 上司からの告白

予期せぬ再会

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「ありがとうございました」

　店中の店員に仰々しく頭を下げられて、私は行きつけのセレクトショップを出た。

　ついつい店員に勧められるまま、手当たり次第に服を買ってしまった。

　しかも柄物のワンピースや透け感のあるブラウスといった、仕事では使えなさそうなものばかり。

　でも今日はどうしても、そういうものを思いっきり買いたかった。

　たとえ仕事ばかりの味気ない毎日を過ごしていても、華やかでカラフルな洋服やアクセサリーに触れることは、女性として必要不可欠なことだと思う。

　今の私は、カラカラに渇いた喉に一気にコーラを流し込んだ後のような、マイナスイオンたっぷりの緑の中で深呼吸したような、そんな感じ。

　女子力万歳、だ。