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「たまには帰れとか、そういうこと?」
「そんな感じです」
母からの電話で、出張で感じていた疲労の度合いが二割くらい増した気がする。
あの調子じゃ母は、きっと私が実家に帰ることに同意したと思い込んでいるだろう。
私の話に耳を貸さないのは、まあいつものことだけど。
「それで麻倉、帰ることにしたの?」
「いえ……」
本音を言えば、やはり帰りたくはない。
実家に帰るたびにぶつけられる母の繰り言に付き合えるほど、今はまだ気持ちに余裕がない。
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