247人が本棚に入れています
本棚に追加
「……え？」
まさか課長からそんなことを言われるなんて思ってもみなかった。
最近の私は単独で動いていることが多くて、社内でも比嘉産業の件以外で課長と顔を合わせることなんて、ほとんどなかったのに。
「あの日、麻倉は断ったけど、やっぱり引きずってでも飲みに連れて行けば良かった」
「あの日って……」
「ん、オアシスタウンで上村さんと会った日。あの日からだろ？ 麻倉が、妙に力入ってんの」
課長は私を射抜くように見つめてくる。私は思わず視線を逸らした。
「……課長ってほんと、部下のことよく見てるんですね」
何があろうと表には出さず、いつもの自分であろうとしてたのに。どんなにささいなことでも、課長は絶対に私の変化を見逃してくれない。
最初のコメントを投稿しよう！