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「驚かせて申し訳ありません。今回の三浦の新作の中で、あの絵が一番評判がいいんです。それに絵のモデルは一体誰なんだって、ファンの間でちょっと話題になってたものですから……」
「……話題に、ですか?」
どうして、絵のモデルなんかが? 不思議に思い問いかけてみたけれど、周りが騒がしく聞こえなかったのか、内山さんはそれには答えなかった。
「どうぞこちらにお掛けになってください。すぐにお飲み物をお持ちしますから」
内山さんは一旦私を壁際の椅子に座らせると、この場を離れてしまった。
会場の中央では、三浦さんが再び来場者たちに囲まれている。改めてここから見てみると、彼に群がっているのはやけに着飾った女性ばかりだった。
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