予期せぬ再会

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「知り合いのバーで彼女が酔っ払いに絡まれているところを助けたんだ。会ったのはその時だけで、知り合いってわけじゃない」  私は三浦さんの言葉に驚いて顔を上げた。あの夜、そんなことが? そう言われたら、そんなこともあったような……。でも記憶は(おぼろ)で、ちゃんと思い出せない。 「そうだったんですか。大変でしたね、麻倉さん」  内山さんが同情の声を漏らす。私ははっきりと覚えていない手前、返事のしようがなくて、ただ曖昧な笑みを返すしかなかった。  もしも三浦さんが言ったことが本当だとしたら、失礼なのは私の方だ。私にあの夜の記憶がないことを彼は知らないだろうし。  それに、翌朝の私の態度も最悪だった。パーティで再会した時の彼の冷たい視線にも納得がいく。  後で三浦さんに話を聞いて、きちんと謝ろう。でもその前に、あの絵のことを何とかしなくちゃ……。
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