予期せぬ再会

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「ありがとうございます……」  親切な言葉にますます混乱したけれど、私は素直に三浦さんの好意に甘えることにした。  アーケード街を抜けるとすぐにタクシー乗り場がある。三浦さんと別れる前に先日の失礼を詫びようと、頭上のアーケードが切れる直前で彼を呼び止めた。 「三浦さん」 「はい?」 「色々失礼な態度を取ってすみませんでした。実は私、あの夜のことなんにも覚えていなくて……」 「……え?」  私が覚えてないことによほど驚いたのか、三浦さんが急に私との距離を一歩詰めた。  近づいた彼の体から、何かが香る。その香りが、引き金だった。  ああ、私……この香りを覚えてるわ。
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