予期せぬ再会

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「香りって……ああ、画材かな」 「画材?」 「そうです。絵の具とか溶剤の匂いが体に染み付いてしまってるんでしょうね。すみません、あまりいい香りじゃないでしょう?」 「いえ、そんなことは」  確かにちょっと独特な香りかもしれないけど、不快に感じたわけじゃない。  彼自身の香りと合わさった絵の具の香りを、寧ろ私は好ましいと思った。 「まあでも、ようやく合点がいきました。一人で気持ちよく飲んでたはずなのに、目が覚めて知らない男が隣に寝てたら、ああいう反応でも仕方ない」 「酷い態度でしたよね、私。三浦さんは恩人なのに。本当にごめんなさい」
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