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「ずいぶん人気者なのね……」
まるで芸能人か何かみたいだ。確かに三浦さんは顔立ちも整っているし、背が高くてスタイルもいい。ひょっとして、彼の絵よりも彼自身を目当てに来ている人の方が多いんじゃないだろうか。
それにしても、彼はなぜあんな態度だったのだろう。
私と対峙した時の、彼の表情を思い出す。まるで私のことを見下しているかのような冷たい瞳をしていた。
なんとなく面白くない気分のままぼんやりと人々を眺めていると、いつの間にか戻っていた内山さんがフルートグラスに入ったシャンパンを私に見せた。
「お待たせしました、麻倉さん。シャンパンをお持ちしたんですけど、お酒は大丈夫ですか?」
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