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「思っていたよりだいぶ時間が押してしまって……。お待たせして申し訳ありません」
「いえ、私の方こそ。お疲れのところお時間作っていただいて申し訳ありません」
気になっていた三浦さんの態度のことはとりあえず置いておいて、私は椅子から立ち上がり、二人に頭を下げた。
内山さんが彼を連れてきたのは、パーティの終了時刻から一時間ほど過ぎた頃だった。
二人ともずっと立ちっ放しで、何時間も大勢のゲストの相手をしていたのだ。表情にこそ出さないが、かなり疲労を感じているはず。
「私たちのことは気になさらないでください。こちらこそお呼び立てして申し訳ありません」
内山さんは私にそう返すと、淹れたての珈琲を勧めてくれた。
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