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『今日は疲れたから、もう寝る』
と勝手に膝の上に横になり、目を閉じる海里の整った顔を見ながら。
目を閉じてると余計に格好よく見えるなーと思って、ぼんやり眺めてるとか言うと殴られそうだな、と思っていた。
だが、なにも言ってはいないのに、やっぱり小突かれた。
「廊下で堂々、のろけてんじゃないわよ」
あーあ、私も旅行、行きたかったわ、という草野に、
「いや、くればいいじゃないですか。
その彼氏さんとやらと」
とあまりは言う。
「いやあね、まだ連れて行けるような間柄じゃないのよ」
と草野はちょっと照れたように言ってきた。
最初は旅行に来ると言っていた草野だったが、その日は、カフェでナンパした相手と初デートすることになったのだと言う。
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