弊害

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郁郎君はゆっくりしゃがみ込むと、地面に落ちたメガネを手に取った。 メガネのレンズは無惨に割れていて、もうかけるのは不可能だった。 「でも、これでいつものいっくんだね。 やっぱり麻衣の彼氏は、こうでなくちゃ」 手を腰に当てて、満足そうに微笑む麻衣ちゃん。 え……? 今、麻衣ちゃん“彼氏”って言った? 言ったよね? ま、まずいよ! 健斗君と郁郎君の顔色が一瞬のうちに青ざめて。 周りのメンバー達も皆、動きがピタリと止まっていた。 『え……? 彼氏?』 『名取君って、麻衣ちゃんの彼氏なの?』 『いや、違うよ。雪音ちゃんの彼氏でしょ?』 軽くパニック状態のメンバー達。 ど、どどどうしよう! 一体、どうすればいいのーーー?
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