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「みんな、さっきから何をざわついてるの?」
麻衣ちゃんが、不思議そうにメンバーに問いかけた。
「だ、だって今、あなたが名取君のことを彼氏だって……」
メンバーの女の子の一人が麻衣ちゃんに言った。
「そうだよー。いっくんは麻衣の彼氏だもん」
麻衣ちゃんの言葉に、どよめくメンバー達。
「い、いやあの。名取君は、雪音ちゃんと付き合ってるんだよー」
動揺を隠せない石原君。
「はぁ~? おねーさん?
このおねーさんが、いっくんと付き合ってるわけないじゃない!」
「なっ、付き合ってるよ! 二人は」
石原君がそう言った後、メンバーがボソボソと話し始めた。
『そう言われてみればさ、あの二人って付き合っているのに、妙に距離感なかった?』
『あー、それ。あたしもちょっと思ってた。
練習の時も1メートルくらい離れて座って見てるよね』
『そうそう。甘い雰囲気とか全然ないの。恋人同士のくせに』
『えー、じゃあまさか本当に、名取君は麻衣ちゃんの彼氏?』
ま、まずいよ。
妙な展開になっちゃってる。
このままじゃ完全に、嘘の恋人だってバレちゃうよ!
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