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「もうっ! 何をゴチャゴチャ言ってんのー?
このおねーさんには彼氏がいるじゃない。
健斗君っていう素敵な彼が!
まぁ、全然似合ってないけどねー」
「!!!」
い、言っちゃったよ!
麻衣ちゃんが、さらっと言っちゃったよ!
もう絶体絶命だぁぁぁーーー!
『え…? ちょっとどういうこと?』
『やっぱり健斗と雪音ちゃんって付き合ってるの?』
『でも、それは誤解だって言ってなかった?』
サークルのメンバーが次第に、私達に疑いの目を向け始める。
私と郁郎君と健斗君は、お互いの顔を見合っていた。
「ちょっとー、糸田っち。どういうことか説明してくんなーい?」
これまでの一連の流れを見ていた宮本さんが、健斗君に詰め寄った。
「雪音ちゃん、どういうことなの? あなたと健斗って付き合ってるの?」
健斗君に思いを寄せる麗花さんも、やっぱり気がかりなのか私に質問して来た。
どうしよう。
どうしたらいいの?
怖くなってブルブルと震えていたら、突然グラリと視界が揺れた。
そして、気がついた時には、
私は郁郎君に抱き寄せられていた。
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