それならいっそのこと

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・ ・ ・ シャワーを浴びてリビングに出ると、郁郎君は既に家に帰っていて。 私と入れ替わるようにシャワーを浴びに行った。 歯みがきもすませて寝る準備が整うと、私達はベッドに上がってのんびりくつろいでいた。 ちなみに郁郎君は、コンビニで買ってきたネイビーのVネックのシャツに、下はダンスの練習着を履いている。 もしかしたら汗臭いかもって気にしていたけど、緊急だったし、むしろそれがあって良かったんじゃないかな。 「なぁ、雪音」 「ん?」 「なんかビックリだったな。お前のお姉さん」 「……うん。ホントにビックリした……」 絢音ちゃんが結婚する予定だなんて。 しかも、これからは純平さんと一緒に暮らしたいだなんて……。 「俺もお姉さんに気を遣って、この部屋に入ることを遠慮していたけど。 お姉さんはお姉さんで、お前に気を遣っていたってことなんだな」 「そうだね……。 私……自分のことばかり考えていて、絢音ちゃんの気持ちに全然気づいてなかったよ。 絢音ちゃんはこの家で、私の親代わりみたいなことをずっとしてくれていたんだよね。 それにすっかり甘えちゃってた。 もう、絢音ちゃんを自由にさせてあげないといけないよね……」 でも……。 もうこれからは絢音ちゃんと暮らせないのかと思うと。 なんだかすごく寂しい気持ちになってしまう。
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