第1章 砂漠の国

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「…母様もきっと、海賊の王子様に逢いたがるだろうな…」 「…まあ、そんな恐ろしいこと…、みなが浮かれすぎなのです…、海賊など下賎な者です…、イシュル様に、今夜のお呼びがかからなくて、本当によかった…」  イシュルを大切にしてくれる女官のユキがそう言ったけれど、好奇心旺盛なイシュルの金色の髪に包まれた頭の中は、自分と歳の近いかも知れない海賊王子のことで、いっぱいだった。
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