2/2
前へ
/53ページ
次へ
モラ様は酒呑みである。 昼夜問わずに飲む。 酒呑みの家庭で育ったことがない私は、ご飯の定義がわからなかった。 母も然りである。 普通のご飯とは違った。 酒の肴がモラ様のご飯らしい。 酒を飲まない私たちにはわからなかった。 酒の肴といえば枝豆とか思い浮かべるだろうが、モラ様の気分によっては怒りの対象となる。 かといって、何が食べたいか聞くと、これまた怒りの対象になる。 当時は、否、今も超能力を持ち合わせていないので、何が望みなのかわからない。 それがまた怒りの対象になる。 当時は、理解できない自分が悪いのか、モラ様が悪いのか、判断がつかなかった。
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加