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各々用意してもらったライトをつけ、2階の客室フロアに来た。
窓が少なく、外の明るさは大分遮断されていた。
まずは障害者用の一室、バリアフリールームだ。
「ああ、だから手すりとかあるんすね」
「ねえ、写真取ろうよ。なんか写んじゃね?」
バカップルだけでなく弟子もシャッターを切る。その度にフラッシュが何度も焚かれる。
次に隣のフロアを案内した。
ここは荒廃と言ってもいいくらいで、壁が大きくぶち抜かれているので隣の部屋と繋がっているのだ。
入ってすぐはバカップルのほうは予想外の部屋に驚きが隠せないようだったが、弟子のほうは夢中で写真を撮りまくっていた。
「さすがにちょっとヤバイよね」
「いや、大丈夫だろ」
男のほうはやせ我慢ぽいが、女が抱きついているので恐怖よりも別の感情が働いていることだろう。
部屋は散らかり放題でベッドは残ったまま、風呂とトイレを隔てる扉はなく、テーブルや椅子は横倒し、ランプ台はコードが引きちぎられてバラバラになっていた。
「隣の部屋、いきましょうか?」
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