1.秘密事/相談事

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   やっと頂上に着いたとき、響は疲労困憊。倒れそうなほどつんのめり、呼吸を整える。 「やばっ……、ボク、すげー、運動不足っ……!」 「今さら気づいたか」  俺も少し息が切れたが、彼ほどではない。中学時代に陸上部で鍛えた体力はどうにか健在のようである。 「でもさぁ、なんかさあ、頑張ってのぼった分さ、ご利益が、……たっぷりある、気がする、よね」  絶え絶えの息の中、彼はいつものようにへらへらと笑った。 「これって、神様なりの、演出、なのかも……」  それはそうかもしれない。  口にこそ出さなかったが、俺は妙に納得してしまった。  
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