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やっと頂上に着いたとき、響は疲労困憊。倒れそうなほどつんのめり、呼吸を整える。
「やばっ……、ボク、すげー、運動不足っ……!」
「今さら気づいたか」
俺も少し息が切れたが、彼ほどではない。中学時代に陸上部で鍛えた体力はどうにか健在のようである。
「でもさぁ、なんかさあ、頑張ってのぼった分さ、ご利益が、……たっぷりある、気がする、よね」
絶え絶えの息の中、彼はいつものようにへらへらと笑った。
「これって、神様なりの、演出、なのかも……」
それはそうかもしれない。
口にこそ出さなかったが、俺は妙に納得してしまった。
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