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「ん、……うあ……」
たいしたことはされていないはずなのに、次第に頭の中がしびれていく。
食いしばった歯がゆるみ、湿った声が漏れたとき、
「あっ!」
胸の突起にやわく吸い付かれた。
待ち望んだ快感に、体がビクンと震える。舌先で転がされる度、甘い電流が体の端々を走った。
逃げたい。
それなのに広く大きな手に脇腹を固定され、悶えることすら許されない。
「ひ、ぁあっ」
動けないせいで余計に感じてしまう。
熱い。
体の奥が、熱い。
もっと。
もっと、強くしてほしい。
もっと、激しくしてほしい。
なにもかも忘れられるくらいに。
次第に理性を失っていく頭の中で、
──「龍広くん!」
彼の声が聞こえた気がした。
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