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「なに怒ってるの?」
「お前が……、ちゃんとしてないからだ」
──ここから逃げ出したかった。
左目の奥がズキズキと痛む。
手を当ててみると、余計なものが流れてしまいそうだった。慌てて天井をあおぐ。
──逃げたい。
「やっぱ、もっとよく考えなきゃダメだったかな……」
「当然だ」
「そっかあ、そうだよね。ごめん」
──俺に謝ったところでなにも変わりはしない。
それからは互いに黙りこくったまま、時間が過ぎた。
やがて講義開始の時刻になったので、冷め切ったココアを飲み干し、飛び出すように食堂を去った。
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