転校生

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 どうしてこんなに仰々しい扉を付けたんだろ?      入学当初はその部室の扉を引く度に、私たちは野獣かよ?って心の中でうっすらと悪態をついた。   既に一年も過ぎると、その重さにも冷たさにもなれ、片手に体重をかけてでズルズルと扉を開く。    薄暗い蛍光灯に照らし出された窮屈な部室に、明るい春の日差しと、まだ少し冷やりとした空気が入り込んだ。    急いで部室を後にする璃子の背中に、部の仲間の声が飛んで来る。  それにまた返事をするように手を振りながら、重苦しい扉を閉めた。      クラブハウスの2階中央に女子バレー部の部室はあった。  隣の女子バスケ部や下った先の顔見知りの男子にも「お疲れ」と声をかけながら桜並木の続く正門に向かう。  
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