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カーテンも開けずに、早くも1週間が経っていた。
しかし、ぐーぅぅぅと鳴るお腹。
「…」
こんな時でも食欲は出るもんなんだなと思いながら、ベットから、立ち上がり、のそのそと重い足をキッチンに向かわせる。そして、冷蔵庫の中を探った。
冷蔵庫の中には、ほぼ何もなかった。
「…」
ぐーぅぅぅと鳴るお腹。
仕方なく、私は、コンビニに行くことにし、下は、軽く暖パンに、上は、適当にパーカーに着替え、フードを被り、財布と鍵を持ち、私は、家を出た。
のそのそと歩いていると、今まで見ていた景色が一気に悲しくなった。
ただ、この世から彼一人がいなくなっただけでも、私にとっては、大切な人なのだ。
世の中は、何も変わらない。
見える風景も何もかも変わらない。
それなのに…
「…誠さん…」と口から溢れる。
どうして、彼なの?
何で、このタイミングで、彼なの?
私は、そう思う。
泣いてしまう。
突然過ぎることに、口から何も出ない。
でも、涙は出る。
頭の中には、微笑んだ彼が浮かぶ。
それでも、私は…
コンビニの前に立つ。
お腹は…正直だ…
そう思いながら。
適当に、色々な物を手にし、お会計へと立ち、済ませ、私は、家へと向かっていた。
すれ違う恋人。泣いた赤ちゃんを抱えた男の人。バトンタッチされた女の人。はしゃぐ小さなものの手を繋いで歩いた者。
私の未来に…もう…
「う…う…っ…」
バタン!
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