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何かを買った事から、テンションが上がったのか、悠は、そこから一気に様々な屋台を回りだした。
あんず飴の感想は
「甘いです!にちゃにちゃします!」
牛串の感想は
「美味しい!でも、硬いです!」
カキ氷を食べた時は、
「あ、冷たい…美味しい…でも、これ、どこらへんがハワイなんですかね…」
「気分じゃん?」
映画を観たときとは全く正反対のシンプルでストレートな感想のオンパレードに、俺達は青い舌を出しながら二人で笑い続けていた。
遊具系の屋台にはあまり興味を持てなかったのか、金魚すくいや射的には、あまり興味を示さず、拒否を続けていたが、何故かイギリスの絵本にある、Pコートを着た熊のキャラお面には過剰なまでの興味を示し、それを買っていた。
理由を聞いたら、この前観た映画が面白かったかららしい。
全然似てないのに。どこまでも、シネマフリークな奴だ。
オムそばと、佐世保バーガーを買って、花火会場へ向かう。
向かうにつれて、人口密度が上がるからか、気温が上がった気がする。
(あっつ…)
思わず、袖をまくる。二の腕の風通りが良くなり、目を細める。悠は、汗ひとつかいていない。
「暑くないの?汗とかかかない人?」
「あ、いや、暑いです!そりゃもう!」
疑問には思ったが、その瞬間、遠くから聞こえたドン!という破裂音。
急かされるように歩を進める。ビルの隙間から、空に広がる花火が見える。
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