僕尻尾は弱いんだから

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「この話はやめ!ローブ、何か用事があって来たんだろ?」 「あ!そうだった」 ローブが思い出したのに合わせて、尻尾がピンと立つ。 「アカネちゃんがオープンカフェに行くから、ジュリアとノゾミを呼んで来て欲しいって言ってたよ」 「へえ、こりゃまた珍しいな。直接そこに行くのか?」 「アカネちゃん達はウチで待ってるよ」 「じゃあ一旦Madder(マダー)に集合って訳だ」。行くか」 要件も伝わり、ノゾミとローブはMadder(マダー)目指して歩き始めた。 「もっと早く行くのが決まってたら、アンパン食べないで済んだのにね。 ジュリアがいつも言ってるけど、あんまり美味しく無いんでしょ?」 「ん?俺は前から食ってねえぞ」 「そうなの?いつもパン配りに行ってるから、一緒に食べてるのかと思ってたよ」 ノゾミは足元の小石をわざと蹴り飛ばし、少しトーンを落とした声で、 「俺は子供じゃねえからな…」 と言った。 ローブはその時のノゾミに、大した反応を示さなかった。
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