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「うるさい、このノゾミミズ!」
「はあ!?」
名前をもじった幼稚な悪口だが、ノゾミは半ギレしている。
「じゃあローブにおぶって貰えば良いじゃんっ」
「アカネちゃん、どうする?」
「嫌よ。恥ずかしい」
「わたくしにお任せ下さい」
「マシャには無理でしょ」
「力は無くとも、あの様な物を使えば…」
マシャが指差した先には、
物を載せて運ぶ荷車に乗り込む少女と、その荷車を押して遊ぶ少年の二人の姿があった。
「乳母車じゃあるまいし」
「うっ、乳母車!」
マシャはまたしても何処からか取り出したハンカチで、自身の鼻を隠した。
「マシャ、急にどうしたの?」
「乳母車に座っておしゃぶりを加え、ガラガラを振っている尊いアカネ様を想像して鼻血が…」
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