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「ローブ返せ!」
「ジュリアのだよっ!」
ローブはアカネの方を見て「アカネちゃん、どうしよう?」 と、次なる指示を仰いだ。
「とりあえず降りて来て」
ローブはヒョイッと飛び降り、平然と着地する。
通行人の老人はまたしても驚愕し、思わず「猫か?」
と呟いたが、それに気付いたアカネに睨まれ、そそくさとその場を立ち去った。
「ローブ返してぇーっ」
ジュリアは地面を蹴って飛び上がり、ローブからぬいぐるみを奪い返そうとするが、
ローブが持ち上げているぬいぐるみには到底届かない。
「だーめ」
「ローブの馬鹿っ!このローブタ!」
ジュリアはノゾミミズ同様に、名前をもじった蔑称でローブを罵ったが、
ローブは至って普通に答える。
「僕ブタじゃないよ?」
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