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身体能力で遠く及ばないと理解しているからか、
ノゾミはジュリアと違ってぬいぐるみを奪い返そうとはしない。
だが、ローブの介入自体には些か不満を感じている様だ。
「ちぇっ、後少しだったのによ」
「アカネ様、ここはわたくしにお任せを」
マシャはようやくアカネから離れ、ノゾミに近寄っていく。
「離れてくれるなら何でも良いわ」
「ノゾミさんノゾミさん」
マシャがノゾミの肩をポンポンと叩いて囁きかける。
「何だよマシャ」
「ここは一旦、ごにょごにょごにょ…」
マシャはノゾミに何やら耳打ちを始めた。
「全く…」
4人から離れたアカネは疲れからか、黄色い果実を満載した荷車のふちに座り込んだ。
タバコを加え、ライターらしき物で火を点ける。
アカネはひと息吸い込み、フーッと煙を吐いた。
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