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「自己紹介が遅れたな。俺はBull Hornのリーダーやってるベンダだ。
あんただってこのタトゥーは知ってるだろ?」
男はベンダと名乗り、右肩を少女に向けた。
その肩には、実物の牛よりも長大な一対のツノを持つ、雄牛の頭のタトゥーが刻まれている。
ベンダはすぐに身を引き、自分が座っていた椅子の背に体重を預けた。
「最近Ratsの連中が俺らのシマでコソ泥しててよ、うざってえのなんのって……。
最近あんたんとこ話題になってるだろ?良い薬になるから、
ちょっとぶっ飛ばして懲らしめてやってくれねえか?」
少女からの返事を待たず、ベンダは一方的に続けた。
「金の心配ならいらねえぞ。最近火薬で上手く行っててウハウハなんだ。
このショボい喫茶店だってド派手に改装させてやるぜ」
ベンダは懐から札束を取り出し、少女の座るテーブルにポンと置いた。
「なあどうだ?乗ってくれるよな?」
ベンダが自らの発言を結んだ後、少女はタバコを口から下ろし、
傍らの灰皿に押し付けて火を消した。
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