26人が本棚に入れています
本棚に追加
「えーっと、良いのかなぁ…」
ローブは疑問に感じつつも、再びメニュー表に戻った。
「全く、俺は何でも有るだけ食うブタじゃねぇってのに」
「豚はノゾミじゃ無くてローブタだよねっ!」
「だから僕はブタじゃないって。ほら」
ローブは自らの尻尾を動かしてジュリアに向けた。
確かにその尻尾は、薄桃色で細く短く、クルンと渦を巻く豚の尻尾とは似ても似つかない。
心なしか、耳もピクピクと動いていた。
「アカネ様ー。ジュリアさんの椅子、お持ちしましたわ」
アカネに子供用の椅子を頼まれていたマシャが、四人のテーブルに戻って来た。
マシャはアカネ達の座る物より座高が高い、まさしく子供用の椅子を引きずっている。
「ご苦労様」
「全くですわ。わたくしスタイリストが本業ですから、チカラ仕事はからっきしですのに」
マシャは額の汗を拭う動作をしたが、それ程疲労している様には見えない。
「さてさてそれではアカネ様、ただいまのキッスを…」
「お黙り」
最初のコメントを投稿しよう!