26人が本棚に入れています
本棚に追加
「何言ってるの?ここはただのカフェよ」
ふたつ返事で自分の思惑通りに事が進むとベンダは予想していたが、
少女の返事は全くの想定外であった。
「は?」
ベンダは花瓶を指差し、早口でまくし立てる。
「いや、あの花って現場に残してるのと同じ奴だよな?この店の看板だって、
血文字のMurder Madderから取ったんだろ?
出来る奴らは皆、表の顔を持ってる。あんただってそうだろう」
「偶然よ」
「それとも何だ?このベンダ様の依頼が受けられねえってのか?ぶっ飛ばすぞ」
ベンダは立ち上がって少女に接近し、歯を剥き出しにして睨み付けた。
少女は新聞で顔を隠し、ベンダから遠ざかるように体を逸らす。
「怖いんだけど」
「お、おお…わりい」
ベンダは首を傾げ、札束をしまうと少女から離れた。
最初のコメントを投稿しよう!