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「もちろん、そのとおりの展開に話を持っていくだけだ。『大魔王の通達は嘘だった。レザは生きていた』ってな。そうして美少女戦士を呼び寄せ、今度こそ完全に息の根を止める。それで終わりさ」
笑みをうかべて殺戮を語る俺の姿を、魔王軍の面々は奇妙な目で見ていることだろう。殺ることが楽しみなわけではない。平和を取り戻すためには理不尽な恐怖も必要な時がある。先陣を切って泥をかぶるのが俺の仕事だ。
「わかりました。では、最終段階はいつ行われますか?」
「そうだな。あと十日ほど後にしよう。美少女戦士たちが凱旋を終えてからだ。その間に、欠員の出た魔王軍の補選を進める」
「了解しました。あ、それと、もうひとつ教えてください」
「なんだ?」
「どうして、あなたには、いえ、あなたとセンサには彼女たちの力が通用しなかったのですか? 技をかけられた魔族は全員殺されたというのに」
珍しく追加があるかと思ったが、そういえば、まだ語っていないことに今更気づく。伏せておきたいと無意識に思っていたのかもしれない。黙っておく意味も無いから、伝えてることにした。
「俺とセンサが、純粋な魔族じゃないからさ」
「え?、どういうことです?」
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