【 九 平和が訪れる 】

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 なにもない真っ白な空間に移り、五人がやってくるのを待つ。ほどなく、アイ、ユウキ、ノゾミ、トモコ、ジュン、の五人が目の前に転送されてきた。 「ここは……? あ、あなたは!?」 「レ……レ……レザ!? レザなの? まさか!」  五人の目に恐怖が宿る。 「ようこそ美少女戦士たち。ここは夢の世界だ」 「あなたは死なれたのではなかったのですか?」 「お前たちがよく知っているはずだ。あの程度の力で俺を倒せるわけがないだろう。ダメージを受けたのはそっちのはずだ」 「じゃあ、あの通達は嘘だったと?」 「地上へ戻っていることは嘘ではなかっただろう?」 「な、なんて卑怯な!」  ユウキが杖を持ち気丈に振る舞う。 「卑怯? そうかもしれん。だが、お前たちは自らの『敗北』を知りながら、『勝利』を受け入れた。国民はおろか首脳も騙し、栄光にひたる。それは卑怯ではないのか?『勇者』の認定が、政府批判の回避策だと知ったら、国民はどう思うだろうな」 「ぐっ……」  やはり、脛の傷に触られると何も言えなくなるようだ。 「おまえたちをここへ呼んだのは、批判するためでも、戦うためでも無い。話し合いをするためだ」 「な、なにを話すというのよ?」  アイが虚勢をはる。ふるえた声では遠吠えにもならん。 「頼みが二つある。まずひとつは……許可しない限り、二度と魔界へ来るな」     
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