10人が本棚に入れています
本棚に追加
「なっ……そんなこと約束できるわけないでしょ! あんたが生きているとわかった以上、見過ごすわけにはいかないわ!」
「そうです。そのような案に応じるわけにはいきません。ここで会ったのは運命でしょう。決着をつけましょう」
アイとノゾミが杖を出して俺に向け反対する。
「愚かな。それが効かないことは証明済みだろう? それとも、またやってみようというのか? 受けてもよいぞ」
「く、くそっ! みんな、攻撃よ!」
アイの号令で全員が装備を出し、ムーンなんとかいう必殺技を繰り出した。針で刺された衝撃は変わらないが、俺には効かない。強い風が通り過ぎただけだ。
「な、なんでよ! なんで効かないの! ジュン、どういうことなのよ!」
ジュンとかいう白い奴がどうやら力の源らしいことは、以前に対決した時からわかっている。こいつにその力が特に充満していることが感じられるからだ。
「わ、わかりませんわ。なぜ……」
ジュンの白い肌がさらに薄く、蒼ざめる。
「さあ、なぜだろうな。自分たちで調べてみるがいい」
五人はその場に倒れ込んだ。それはそうだろう。結果としてさらなる絶望を自ら受けてしまったのだから。
「これでもまだ、魔界に訪れ、俺を倒すつもりか?」
「あ、あたりまえよ!」
あきらめないことは美徳だが、ここまでくると無謀でしかない。
最初のコメントを投稿しよう!