【 九 平和が訪れる 】

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「……たしかに、そうですわね」 「ジュ、ジュン、あんた!」 「悔しいですが、大魔王の言うとおりですわ。皆さまの力は私が貸しているだけです。力が通じないのですから、お貸しする意味もありません。何より、わたくしが契約しているのは政府です。政府との契約がなくなるなら、去るしかありません」  ジュンは無表情になって事実を告げる。政府との契約だったとは初耳だが、これで月の力による侵攻がなくなることは確実になった。 「わ、わたし……ひとも魔族も……いっしょに仲良く……なってほしい」  か細い声でトモコがつぶやく。 「ト、トモコ! あんた!」 「うすうす……わかっていたんです。同じ人間を捕えないといけないのはおかしいって。どう見ても弱い人も多かった。だから……よく調べてからどうするか考えてみる」  アイの恫喝に構わずトモコが声を出した。他の三人は茫然と見ている。 「わたくしも、トモコさんに賛成ですわ。政府との契約が切れたら本格的に調査したほうがいいですわ」   ジュンの一票に、さらにユウキもノゾミも加わる。 「……わかったわ。検討してみるわ。でも、あんたたちが言ったことが嘘だったら、この話はナシよ! いいわね?」     
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