【 九 平和が訪れる 】

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人間界にも魔界にも、相変わらず愚か者の同胞はいる。しかしその数も、魔族が偏見に晒される事件もかなり減っている。事件が起きても魔族全体が批判にさらされることはなくなった。魔界へやってくる勇者にいたっては、ここ百年前後ははまったくいない。人間界との地域や仕事面、文明の交流も活発だ。いつか、人間が魔界へ自分の意思で来られる日が来るといいのだが。  もう数年すると、大魔王の選抜が行われる。子の身体の寿命は意外と長い。『魔王』の選抜を見たり、不届き者を返り討ちにしたりした印象として、候補者のレベルもずいぶんと上がっている。この先も、魔界の平和に尽力するために、三期目の就任を果たさねばならない。  ふと、ひとりで共同墓地へ行く。慰霊碑は三つになった。美少女戦士たちの慰霊碑だ。人間界との橋渡しをするという約束を果たした功績を称えたものだ。  それぞれの慰霊碑に花と祈りをささげる、彼らのおかげで、今の魔界がある この平和をさらに発展させていくことが、糧となった同胞や勇者たちの活躍に報いることだと思っている。 これからの魔界の平和を祈り、共同墓地を後にした。
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