1 蜜室の人形

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「Excellent!」  数回手を叩いてみせて、ディランは目を細めた。 「こんな可愛い命令には従わざるを得ませんね」  小馬鹿にするような態度に腹が立つ。  でもそれ以上にイケない苦しみの方が勝った。 「うるせぇっ! んっ……いいからっ……早く、しろっ!」 「Yes,my lord」  ディランが足元に跪いて、レオの足首を椅子の脚に縛りつけていたリボンをしゅるりと解く。  両足のリボンを解かれ、すぐに下着にも手をかけられて、苦しみの終わりを期待してレオは僅かに胸を撫で下ろした。  だが、バイブを抜きかけた手が不意に止まる。 「ああ、いけない。晴れ姿の記念撮影を忘れておりました。私としたことが……」 「ひゃうっ……! ぁっ、おいっ!」  バイブを元通り押し込んで、ディランはいそいそとポラロイドカメラを手に取って構える。 「ぅう……」  恒例の恥辱に、せめてもの抵抗で足を閉じた。  けれど執事はカメラを構えるばかりで一向にシャッターを切ろうとしない。  手を出すでもなく、具体的な指示を出すでもなく、ただ一言、主人に告げた。 「レオ様。違うでしょう?」 「ぐ……」  シャッターを切りたくなるような恥ずかしいポーズをレオがするまでは、この後はお預けだということだ。  終わらない恥辱に気が遠くなる。  しかし、身体の中で振動を続けるバイブは気を失わせてもくれない。
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