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「何を知ってると言うのです?」
口の代わりに手での奉仕を続けながらスカートを押さえていた手を離し、ヴェールを捲り上げる。
「ん、くぅ――……!」
ヴェールの下からは、苦し気に眉を顰め涙の溜まった目で執事を睨み付ける少年の顔が覗いた。
紅を差された唇も苦し気に引き結ばれて、だが唇の端からは涎が伝い胸元まで汚していた。
「呆れた方ですね。ドレスを汚さないようにと言っておりますのに、上も下も涎をだらだらと……」
「ふぅ、ん――……っ!」
首筋を舐め上げられて顔を背けるように仰け反る。
ぴくぴくと身体を震わせながら大きく呼吸をして、少年は叫んだ。
「だからっ! お前は知ってるだろうがっ!」
「何を……?」
唇が触れ合いそうな距離で執事が嗤う。
「おっしゃりたいことがあるのなら、『命令』があるのならばはっきりとおっしゃってください。この可愛い唇で」
「てめぇっ! んっ、んん――……っっ!」
「レオ様?」
扱く手を早くして執事は主人に『命令』を促す。
もちろん少年――レオが何を言いたいかなんて知っている。
そういう風に、彼がレオを躾けたのだから。
「んぁあっ……! 玩具じゃっ……イケないっ!」
既に何度も達するような快楽を与えられながらイクことができない責め苦に耐えかねて、レオは口を割った。
使用人に弄ばれるなんて恥辱以外の何物でもなかったが、口にしなければ延々とこの責め苦が続くだろう。
快楽と苦痛がせめぎ合って、もう頭がおかしくなりそうだった。
そんな主人の必死の告白に、ディランは薄い笑みを浮かべた。
「ああ、そうでしたね。レオ様はもう、こんな作り物ではイケないいやらしい身体でした。申し訳ございません。失念しておりました」
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