無邪気なプレゼント

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 友紀が寝静まった頃、ゆっくりと娘の部屋の扉を開ける。欲しがっていたオモチャのアクセサリーを手に握ったまま、娘が熟睡していることを確認する。今夜はクリスマスだから……  起こさないようにゆっくりと友紀の元に近づき、枕元にプレゼントを置こうとした。その時、友紀の枕元に、紙切れが一枚置かれていることに気がつく。手にとって中を見ると、それを手にしたまま慌てて絵美の居るリビングへと向かった。 「おい……これ!」  絵美が俺の手から紙切れを受け取ると、中に書かれている内容を見て口元を抑える。今にも泣き出してしまいそうなのを必死に堪えている様子だった。  紙には、娘からサンタクロースへ向けた、プレゼントのおねだりが綴られていた。書かれていた内容は 『サンタさんへ。ママのがんがなおるおクスリをください』  まだ六歳の娘が、覚えたての平仮名と片仮名で頑張って書いたのだろう。友紀のお気に入りのクレヨンで書かれたその文字に、紙に、絵美の涙がポタポタと落ちる。  俺は近くのコンビニへと走ると、ビンの栄養ドリンクを買って来て、ビンのラベルの上から白紙の紙をグルッと一周させて貼り付けた。その紙に 『がんがなおるクスリ』  と書いて娘の枕元にアクセサリーと共に置き、(とこ)についた。
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