のろいのいえ

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あと、のろいといえば「おふだ」だろう? こんどは、てづくりの「おふだ」をとりだし、いたるところにハリだした。またたくまにタケルがひいてきたリアカーは「おふだ」まみれになっていく。 それ、たなばたのタンザクじゃね? っていいそうになったけど、ひっこめた。 だいたい「おふだ」は「マヨケ」だからイミなくね? まあ、おもしろいからいいけど。 そのほかにも、やぶれたとうちゃんのパンツや、くさそうなクツシタ、あなのあいたカサをくみあわせて、ハタをつくっていく。 しょうじきにいうと、いえというよりもガラクタのやまだ。だけど、さいごにビニールシートでやねをつけると、フシギだ。それっぽく、みえるわけ。 しあげにタケルがもってきたクラッカーとリアカーをガムテープでグルグルまきに。クラッカーのヒモぶぶんを、ビニールシートにくっつけた。 こりゃなんだ、とヤツがビニールシートをはずしたとたんに、パーン!  となっておどろかせてやるんだ! とタケルはハナをふくらませた。 そんなこんなでかんせいした、のろいのいえ。 ボクたちはひっしになって、そとにだした。 いろいろなモノがのっているから、バランスがわるくてなかなか、まえにすすまない。 こんなときでもタケルはまえむきだ。     
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