のろいのいえ

3/4
前へ
/4ページ
次へ
ラクショウでしょう。コウイチのいえ、さかのしただし。 でもボクたちはタイセツなことをわすれていたんだ。 さかはノボラナイとクダレナイってこと。 げんじつをおもいだしてしまったボクたちは、しかたなくリアカーをおしながら、さかをのぼっていった。 あら、タイヘンねぇ。 せなかのまがったおばあちゃんが、ボクたちをおいこしていく。 なんだよ、これ! タケルが、さけぶ。 これじゃあ「のろいのいえ」じゃなくて、「のろいいえ」じゃないか! ふたりは、ふきだした。かおをみあわせて、のろいのろい、のろいいえ。のろいのろい、のろいいえい。 くりかえしながら、その場にしゃがみこむ。 とおくから、5じのほうそうがきこえてきた。 いくか。 むごんで、あるきだす。クルリとむきをかえて、さかをくだっていくのに、コトバなんていらなかった。 もどってきたふたりと「のろいいえ」をみて、イヌのタロウはフシギそうに近づいてくる。 ボクたちはクスクスわらいながら「のろいいえ」をわがやのうらにかくして、あしたは「のろいいえ」でまちあわせねって、わかれたんだ。 だとうコウイチのためにつくった「のろいのいえ」は、「のろいいえ」になって、けっきょくボクたちの「ヒミツキチ」となった。 そんなボクとタケルのおハナシ。     
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加