ナニコ、死して揺るがず

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ナニコ、死して揺るがず

「何かを物語る時に、注意深く聞いてもらえる方法を知っている?」 彼女は平坦な口調で言った。 「これは大事な話だ、と念を押すしかないだろう」 俺は常識的に答えた。しかし彼女は不服そうだった。 「ふうん。じゃああなたは、道徳の授業を覚えてるっていうの?」 「…………」 「そうじゃなくて、こう言うの──『この物語には、ひとつだけ大きな嘘が混じっています』」
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