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「……寂しいね。僕に触れないのに、僕で処理するなんて」
「神楽」
「僕だって……僕だって」
本当は、時間が戻れるなら『あの日』に戻ってやり直したいよ。
触れたいし、触れられたいし、今すぐその貞操観念の軽い頭を叩いてやりたい。
君の手は、あの日よりもすらりと長く、身長だって見上げないといけないぐらい高いのに。
一番近くにいるのに、一番遠い君が、偶に僕は本当に許せなくなるよ。
「僕だって、巨乳のグラビア見て、抜いてやる!」
「は、はああああああ!? 浮気だし! それ、かなり浮気だし!」
「別に君とはお付き合いしていませんし。僕に触れない君じゃ、僕は満足できないので」
今だって、僕が入ってこなかったら、絶対にあの後輩とエロいことをしていたに違いない。
絶対、非童貞だろうしね。
「俺は、親の権力を使ってでも巨乳のグラビア雑誌を廃刊させるしか、方法はないのか」
項垂れた彼を、僕は決して入ることはできない教室の外から見る。
項垂れる彼を、蹴り上げることも抱きしめてあげることもできない。
雑誌を廃刊にする必要はないよ。
僕以外を好きになれば、良いだけだよ。
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